同胞

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同胞

洞窟を入ると辺りの気温が一気に下がり今まで動いて体温が上がっていた俺にはちょうど良かった。 「この奥だよね。気合いいれていこう」 何をいってるんだこいつ。ほぼミリナの独断で動いているようなものじゃないか。 「お前が言うな。それにミリナはここにいな。」 「なんでよ。ここまで来たんだから私も行く」 「そうじゃない。さっきのあいつを見ただろ。明らかに雰囲気がここの物とは違った。」 「それでも・・・」 喉の奥まででかかった。 『足手まといだ。』と言いたかったが、言えない。 そんな葛藤をしていると、ミリナも察したみたいで、これ以上ついていくとは言わなかった。 「わかった。ここに残る。だからヒロ、必ずアカリちゃん連れて帰って来てよ。」 「わかった。行ってくる。」 俺一人で洞窟の奥へと足を踏み入れた。
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