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無理です
「ふっざけんな!!」
かつて最強と呼ばれていたヒロは見たことのない大きな獣2匹に草原で追われていた。
「なんなんだ!あの化け物」
その大きな獣は、鋭い牙や爪を持ち、虎によく似ているが、虎より大きく虎で言う黒い縞模様の部分が赤黒く光っていてとても不気味に見える。
「私たちの世界での『虎の亜種』だよ」
走りながら、俺と同じように逃げていた、白いワンピース姿の少女が、分かりきったかのように答えた。
少女は身長は俺と変わらないくらいで、年は10代後半と言ったところだろうか。顔立ちは整っていて、明るく活発的な女の子そんな雰囲気だった。
「そんなことあるか!あんな凶暴なの始めてみたわ!!」
「君。逃げてばかりじゃなくて戦ってよ。さっきドラゴンを簡単に倒してたじゃん。今回もお願いします。」
「刃が通らない奴にどうやって倒せと!」
俺が弱い訳ではない。弱くなっている感覚もない。
「明らかに強すぎるんだよ! 」
この化け物に初めてあったとき、討伐を試みたが、ヒロの剣裁きでは、びくともしなかった。何度かやってやっと額に傷がつけれたくらいだ。
そんなに強いのに、俺はこんなモンスターを戦うどころか知らない。世界のありとあらゆるモンスターと退治したきたはずなのに知らない。これではまるで別の世界に来てしまったみたいだ。
何とかあのモンスターから逃げ切り、森の木陰に身を潜めた。
「どうなってるんだ。さっきまでいた街はどこにいった。それに、あんた誰だ!」
突然、今までいた場所とは違い、何故か知らない茶髪のポニーテール少女と一緒にいる。
少女は深刻な顔で答えた。
「ここは、人類が8割、死にモンスターが凶悪化した最凶の世界。あなたを最強の人間と聞いてここに連れてきました。お願いです。どうかこの世界を救ってください。」
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