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異世界に連れてこられた。
彼女が言っていることに、不思議はあるが納得してしまった。あの今までに見たことのないモンスター、それに突然と見慣れない景色にいる俺達。この状況を納得しないと理解できない。
「帰してくれ、俺のもといた世界に帰してくれ!」
「ごめんなさい。できません」
「・・・な、なに!!」
「君をここのつれてくるために使った、『転移石』はもう、ないからしたくても出来ません。」
「分かった。ならその『転移石』ってのはどこに行けばある?」
「わからない。あれは母様から貰ったものだから。」
「じ、じゃあ、その母様ってどこにいるんだ?」
「わからない。今も生きているかもわからない。」
わからない。わからない。だあ。
「じゃあ、どうやったら返してくれんだよ!」
「この世界を救ってくれたらきっと、母様が何とかしてくれる・・・はず」
「さっき生きてるかもわかんねーっていいってただろ。」
今までいた世界に未練があったと言えばいいのか、もっとあの世界で自由にいきたかった。それ以前に、あの世界を自分の力で大変な思いをして救った。それなのにもう一度世界を救えと言われた。しかも、以前より難易度ははるかに上がってる。
「俺には無理だ。さっきの見たろ。俺じゃああの化け物を倒すことができない。」
傷をつけることぐらいしかできなかった。そんな俺が、まだ何体いるかわからないモンスター達を倒して世界を救うことなんて、到底出来っこないことだった。
「あの化け物いったなんなんだ。あんなに強いってのに、どうすればいいってんだ?」
「あれは、僕らは『ビースト』って読んでる。」
「ビースト?」
「そう。突如現れた人類の、いや、世界の敵だよ。あいつらが現れたことにより、力を持たない小さな国がいくつもなくなった。」
「それで困って俺を呼んだって訳か。全くいい話だなそっちからすればよ~」
その場でうずくまり俺は、今の状況を嘆いた。
簡単にまとめると、世界がピンチだから、一度世界を救ったことのある俺を呼んで、もう一度世界を救ってもらおうってことか。
「納得できた?」
「納得するか!!
だって、俺のいた世界には戻れないんだろ。こうなったら意地でも、帰ってやる。」
帰って、いつもの平和の世界に帰るんだ。今は、この世界の情報をを集めないと。
「おい。そこのお前!ここの情報よこせ」
「お、話が早くて助かるよ。」
「こう言うときは、情報戦だ。少しでも多くの情報が必要になるだけだ。 」
「さすが、一度世界を救っているだけのことはある。君ならできるよ。母様の言い伝えに間違いはないはずだから 」
その母様ってのはさっきから何者だよ。神様みたいなことか?
「ここは危険だから、安全な場所に行かないか。8割ってことは、残り2割は人は住んでいるだろ。そこに行こうぜ。」
「分かった。」
そして、またあの化け物と戦うには危険がある。
「まだ、壊滅していなければいいけど、確かこの近くに村があったはず」
「よし。とにかくそこへ行くぞ。案内してくれ。え~と」
そう言えば、まだ彼女の名前を聞いていなかった。
「私は、『ミリナ』。よろしくねヒロ。」
俺の名前は知っているのか。
こうしてヒロの世界を救う冒険が再び始まった。
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