道中にて

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道中にて

「ところで、ミリナさっき言っていた『母様』ってのは何者なんだ。」 村があると思わしき場所に向かっている道中、先程の会話で気になっていたことを、思いきって聞いてみた。 「母様は母様だよ。この世界は、母様が創ったって言われている。だからみんなの母様。」 「神様みたいなものか?」 「ヒロの世界ではそうかも。母様は何でも知っていて、何でもできちゃうの。」 「なるほど、その一貫で俺を呼んだってわけか。」 どうやらこの世界では神を崇拝する感覚で『母様』と呼ばれる人が拝まれている。別にそれにたいしては、不思議ではない。俺のいた世界でも、地域によっては、崇拝する神様が違っていた。 そんな感覚だろう。 「ミリナは、その母様ってやつに会ったことがあるのか?さっき石を貰ったとか言ってたよな。」 「うん。あるよ。この世界の人間はみんな会ったことがあるの。その時にヒロをここにつれてくることを命じられたの。」 「どんな人だ?」 「え~とね。優しくて、暖かくてとってもいい人。」 ていうことは、母様は少なくても生きていて、尚且、本当に母親みたいな存在なのだろう。 しかし、こっちとしてはいい迷惑でもある。 強ければ誰でもいいというわけではなく、ちゃんと俺を指名してここに呼んでいる。 「でも、会ってビックリしたよ。」 「うん?どうしてだ?」 「だって。世界を救った。大英雄が私と同じくらいの身長なんだもん」 ぐはぁ。俺はその場に倒れこんでしまった。 「そ、それは、言わないでくれ、ビーストと戦うよりダメージがでかい。」 「・・・ご、ごめん」 言ってはいけないことをさらりと言いやがった。 「もうすぐ言っていた村に着くはずだよ」 あれから1時間くらい歩いているがその道中、ビーストに会うことはなく進むことができた。
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