微かな灯り

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微かな灯り

私はアカリという名前が嫌いだった。 名付けた父曰く、辺りを照らす存在になるようにとつけられたらしい。 別に父を嫌いになっているわけではない。 でも私は、誰かを照らせるような人間でもないし、そもそも、明るい性格でもない。名前名前負けしている私は、この名前を好きにはなれなかった。 私が住んでいた所はとても小さく、数人程度しか住民がいない小さな村だった。 しかし、私はなんとも思わなかった。 けれど私が15歳の時、私の運命が大きく変わった。 それはよくある、晴れていた日。 たまたま隣町に買い物をする機会があった。私の誕生日だったからだ。そのため、私のために料理用のナイフをわざわざ鍛冶屋までいって作ってくれることになっていて、私達は出掛けた。 しかし、その帰り魔女に出会ってしまった。 魔女はこの世界では人類の敵と言われ、人々に恐られていた。その魔女も悪い魔女だったらしく、不適な笑みを浮かべ、私の両親を殺した。 私の目の前で。 私を庇うように倒れていく両親に鮮明な血が飛び散った。
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