機械音痴

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「この際1時間目は諦めようと朝飯を食べようとした。電器ポットにコンセントを入れたら湯を沸かし始めて」 「嫌な予感しかしないぞ」 「そのままどこかに飛んでいった」  友人はというと「アレはどういう原理だ、空気鉄砲のようなもんか?」と呟いているが周りの連中は何ともいえない微妙な空気になっている。誰もが突っ込みたい、でも突っ込めない。そんな状況だった。 「仕方ないから昨日の残り物を温めようとして」 「レンジが爆発でもしたか」 「いや、レンジが爆発したのは一昨日だ。まだ買ってないからレンジはない」  爆発はしたんかい。 「煮物だったから鍋に入れて火にかけた」 「ほう」 「美味かった」  ガスは問題ないのか。 「支度を整えて家を出て、ベランダから縄梯子を使って降りた」 「何でだよ」 「エレベーターは閉じ込められるから危険だ。ウチのマンション普通の階段ないし、非常階段使ったら大家に怒られた」 「エレベーター使っても閉じ込められないかもしれないだろ」 「今のところ利用して閉じ込め率100%だから嫌だ。急降下と急上昇5回は経験してる」  エレベーター会社の人の方が嫌だろうそれ。
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