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#004.猫半分
もうすぐ3歳になる娘と昼食を食べ終えて、食器を片付ける。
洗い物を終えてダイニングに戻り、娘を固定していた椅子のベルトを外す。
「みーたん、じゅちゅ(ジュース)のみたい」
「え~、今ご飯食べたばっかりでしょ?」
「じゅちゅのみたい」
「いけません!」
「やだ。じゅちゅのむの!じゅちゅはんぶん」
娘は言い出したら聞きません。最近は「半分」と言えば貰えるものだと思っているから……
仕方がない。と、溜め息を吐きながら冷蔵庫に向かい、オレンジジュースをいつもの半分だけカップに注ぐ。
「はい、半分ね」
嬉しそうにストローを咥える。我が子ながら本当に可愛いんだから。
午後はショッピングセンターへお買物。珍しく帰りにペットショップのディスプレイの前で立ち止まってみた。
猫…… 可愛いけど、今のマンションでは飼えないな。この大きな猫みたいなヤツもいるし……
「にゃにゃかわいい。みーたん、にゃにゃほしい」
「ダメよ、みーたん。おうちではにゃにゃ飼えないの」
「やだ!にゃにゃほしい」
「今のおうちではダメなの。ちゃんとにゃにゃ飼えるおうちに引っ越さなきゃ」
って、娘に言ってもわかるわけないか。
「にゃにゃほしい。にゃにゃはんぶん」
どうやって半分にするんですか?
(了)
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