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それは目の前の衛も一緒。でも衛が興味を示さない理由は、他の人達とはちょっと違う。
私が『プラネタリウム』って言った時、前髪に隠されているけど微かに見える眉毛がピクリと動いたもん。
「興味ないな…… 本返せよ、千秋」
私から本を取り返すために、ようやくその顔を上に向ける。相変わらず綺麗な瞳。吸い込まれそうになる。
「竹材を使ってドームを作って、張子の要領で紙を貼って。
プラスチックの球体を手に入れて、小さな穴を開けて。
中から電球で照らしてドームの内側に映して。
星座や神話の説明を録音して、それを流すの。どう?楽しそうでしょ」
だから私は独断で決めた。だって、あのまま学活を続けてたって何も決まらないもん。
「だから、興味ねーって」
衛は私の手から洋書を取り戻すと、またそのチンプンカンプンな内容の世界に入り込んでしまった。
「ドームとか投影機とかは、みんなで作るからさ。マモルンには星座と神話の説明文の監修をお願いしたいのよね」
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