#005.衛のプラネタリウム

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 私と衛は家が近所の、いわゆる幼馴染。中学2年になった今では、こうしてギクシャクした関係になってしまったけど、小学生までは仲の良いお友達だった。  衛は小さい頃から── きっと私の物心が付いた時から星々の世界や宇宙が大好きな男の子だった。  幼稚園の卒園アルバムの、「おとなになったらなりたいもの」の欄にしっかりした字で「うちゅうひこうし」と書いていたほど。  その夢が本気であることに、やがて気付かされる。  星や星雲の名前、星座の成り立ち、それにまつわる神話などの知識を得るために本を読み漁り。  天体のしくみや世界の(ことわり)を理解するために理科や数学を猛勉強。  基礎体力が大切だからと身体を鍛え。  宇宙へ行くにはアメリカの組織に所属しなければいけないので、英語を習得。  宇宙ステーションを行き来する術は、今はロシアしか持っていないからとロシア語の勉強を始め。  とにかく宇宙飛行士になるために必要なものは、ストイックに取り組んでいる。
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