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「おのののか」の迷宮
文章を書く上で助詞の利用は避けられませんが、多すぎると読みにくいだけではなく作文みたいになるので注意が必要です。
※中でも、助詞「の」は重宝なので、つい使いがちになります。
×「昨日の君の涙のわけを──」
×「母の誕生日のプレゼントの中身は──」
×「夢の中の君の微笑みを──」
×「俺の胸の中の怒りの意味を──」
「の」が多いなと感じたらもう正解。気づけばいいのです。違う言い回しに変更すればいいだけなのです。気がつかないことが初心者が犯しがちなミスなのです。
上の「の」は見つめ続けないでください。見慣れた文字が分からなくなる「ゲシュタルト崩壊」を起します。
「の」をふたつ使うのも良くないみたいな書き込みも見かけますが、ふたつはいいんじゃないかな、リズムが出るし。そこまでいじったら文章が違うところへ向かうような気がします。
「の」が多い時は情報過多になっている可能性があります。修正を掛けようとして上手くいかないときはそれです。似たような表現が使われていたらバッサリ削除しましょう。削除できない情報だったら後の文章に回しましょう。これはまた別に書きたいと思います。
「野原の松の林の蔭の小さな茅葺の小屋にいて」
ご存知、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」です。これが情報過多です。賢治の代表作で、とてもリズミカルなので批判する人はいないでしょうが、これをいま僕が書いたら、あれ? と首を傾げられるはずです。
─To be continued─
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