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視点「一人称」
人称について書いていきます。一人称については必要ない気もしますが、他の人称に進むために欠かせないので書きます。
●主人公「僕・私」の視点で描くのが「一人称視点」です。
主人公「僕・私」が【見聞きしたもの、考えたり、思ったり、感じたこと】を文章にしていく、主人公の目の前で展開される物語です。人間はそもそもこの視点で生きていますので一番書きやすく、臨場感も出しやすくて、読み手が一番感情移入しやすい視点です。
●一人称の強みは「私」の内面や心情が描きやすいところにあります。「私=自分」の目線がビデオカメラを構えているようなイメージです。
●もちろん制約もあります。「私」以外の人物が見たもの、聞いたもの、感じたこと、考えたこと、思ったことは書けません。
「私」の目から見た「A」さんは「そのように見えた」としか書けません。
●また「私」がいる場面でも、視界に入っていないものは書けません。たとえば「私」と「A」さんが会話しているあいだ、「私」の背後で「B」さんが笑いをこらえていても「私」には見えていないので書けません。
どうしてもそれを描きたければ、
【Aの視線を追って振り返ると、笑いをこらえたような顔でBが立っていた】とかでしょうか。
●「私」が眠ってしまったり、気を失ってしまった場面ももちろん書けません。その場面がとても重要で描かなければならないときは、視点者を変える必要があります。
ただし、唐突に視点を変えてしまうと読み手が混乱してしまうので、章で明確に区切って、視点者が誰に変ったかを早く読者に知らせる必要があります。
よほどトリッキーな小説を目指さない限り視点の変化は最小限度に留めましょう。しかし、何事にも例外があります。あくまで一般論です。
●一人称にもデメリットがあります。
思考、感情、心の動きを描きすぎる恐れがある、ということです。そのため物語の展開スピードが落ちます。これは「三人称一元視点」で書きたいと思います。
─To Be Continued─
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