19人が本棚に入れています
本棚に追加
その頃から、本格的に小説を書き始めた
文学部で学んだこと・・・文学史や形式、それは何の役にも立たなかった
学ぶことは、過去をなぞることだからだ
ある時、時代を変えるような天才が現れる
唐突に、忽然と
ほとんどの場合、評論家はそういう天才を正当に評価できない
連中は、作家になれなかったごみ溜めのようなものだから、斬新な作風を理解なんかできないのだ
だが、新しいものに餓えている若い読者は、その才能に気づく
そして瞬く間に、天才は時代の寵児に祭り上げられる
すると、すぐに世の中は、似たような作風を求めるようになる
当初批判的だった評論家は掌を返し、二番煎じ、三番煎じの凡庸な作家が、ぞろぞろと湧いてくる
そうして「時代」が作られるのだ
最初のコメントを投稿しよう!