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「いやまー普通に考えて一目惚れでもしたんじゃね?遥顔いいもんな」
カジがそう言ってくるがさっきの仕返しにシカトすると、わざとらしい泣き真似をしながらシカトはやめて〜と背中にくっついてくる。
「付き合わないんでしょ?」
奏が分かりきったようにそう聞いてくるので俺は当たり前とぶんぶん首を縦に振った。
「俺達の遥が一軍に取られるなんて最悪だし渡す気もないしな」
尊がサラッと嬉しい事を言ってくれるから、思わずちょっと口元が緩む。こいつらといると居心地いいし、俺も絶対一軍には行きたくない。こいつらと高校三年ずっと一緒にいようと決めてるし。
「そうそう!遥いないとつまんないし尊はともかく慧の相手すんの無理だかんね!絶対絆されないでよ」
「え?!奏!?それ酷くない!?」
「当たり前だろ〜てか俺が一軍に絡まれたら助けてよ」
「それは無理」
「やだ、一軍怖いし」
「この薄情者……!!」
さっきまで感動するようないい事を言ってくれてた癖に、自分に被害が及ぶ事は決してしたくないらしい三人。
一軍を怖がってる振りしてるけど、この三人だって面倒だからつるまないだけで普通に一軍レベルなのわかってんだからな!
奏は思いっきり可愛いし、カジはお調子者で人気あるし、尊はバスケめちゃくちゃ上手いエースだし。
そのくせ助けてくれないって言うんだから友達ってやつはハクジョウだ。
俺は小さく口をとがらせて、昼休み終了のチャイムを聞いた。
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