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むしろそれしか考えられない。
俺は頭の中でそんな結論を導き出し、極めて冷静を装うと深呼吸した。
「突然何?罰ゲームでもしてるわけ?悪趣味じゃないの、そういうのって」
普通の奴なら瀬川にこんな口を聞けば女子に陰口を叩かれ虐められたりもするんだろうが、俺にはそうされない理由がある。
俺も所謂王子、と女子たちに呼ばれているからだ。
親の遺伝子のおかげだが極めて綺麗な顔に産んでもらった自覚がある。だけど、俺は瀬川みたいに一軍陽キャとワーワー騒ぐ気にもならないので落ち着く二軍男子たちと一緒にいることがおおいんだけれど。
今も女子たちが聞こえていないとでも思ってるのか、「えー瀬川くんてホモだったん」「でもちょっと分かるよねー、雨宮くんて超綺麗だしー」などと頭が悪そうな事を呟いている。
俺の冷たい言葉を聞いて、男子たちは「ひでーぞ雨宮〜」なんてケラケラ笑ってるし。
俺はお前らみたいにくだんない冗談に付き合ってるほど暇じゃないんだよ、と心の中で悪態をつく。
なんの反応もないので、怒っているのかとそっと瀬川を様子を伺うと今にも泣きそうな顔で俺を見ていた。
ぎょっとして、どうすればいいのか分からず黙っていると、
「なんでそんな事言うん」
とか細い声が返ってきた。
「えっ、いや、だって突然こんなクラスのど真ん中で告白されたら誰だってそう思うって言うか」
泣かせる気はなかった、としどろもどろで弁明を述べる。
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