突然の告白

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「どうやったら信じてくれる?」 泣きそうな顔をしていた癖に、急に真剣な表情になってぐいぐいと近づいてくる瀬川に逃げ出したくなる。椅子に座っているから逃げも後退りも出来ず、瀬川を見つめる。 「俺、雨宮にだったらキスもハグも出来るし、なんなら今から──「お断りします」 恐ろしい羅列を並べる瀬川を片手で制すと、長い溜息を着いた。 …何でこんなことになった? 「わかった、信じるから。信じた上で真剣に言うけど俺に男趣味はない。お前が悪いわけじゃないから申し訳ないけど、諦めてくんない」 変に茶化したり誤魔化したりしてもお互いのためにならない、そう思って真面目にお断りを入れる。 周りのクラスメイト達は俺達の恋の成就を何故か願っていたようで、残念そうにええー!と大声で騒いでいるが。 流石にこれで瀬川も退いてくれるだろう──。 そんな甘い俺の考えは、粉々に打ち砕かれることとなった。 「やだ。諦めない」 「…は?」 俺が嫌だって言ってるんだぞ、と喉まででかかった言葉が出てくる前に瀬川は次の言葉を紡ぎ出す。 「男同士だからって理由で断られるのはやだ。俺を見た上で判断して欲しいんだけど、それもダメ?」 「いや瀬川を見た上でって言われても…」 そりゃ見た目は文句なしに良いだろうよ。知ってるよ。クラスどころか学年…いや学校中で噂になって、先輩やほかのクラスメイト達まで休み時間に瀬川を見に来るくらい顔は整っている。 顔が綺麗なだけじゃなくて、背も高いし、陽キャ軍団の割に性格もいいって評判だし。女遊びが激しいって噂も聞いたことがなくて、勉強もそこそこ、運動が得意なのも同じクラスで体育を見ていたから知っている。 …考えれば考えるほど非の打ちどころがない男だな。
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