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瀬川は瀬川で一軍男子達のところに戻って嬉しそうに何やら報告をしている。一軍男子達も普通に笑顔で会話してるし…。
うちのクラスの一軍男子は合わせて5人グループなのだが、1人くらいお前男に告白したの!?なんてやつは出てこないのか。皆受け入れたような顔してるけど。
こう思う俺が時代に取り残されてるのか?
今は男子が教室でみんなの目の前で大胆に男子に告白しても、よかったねって一瞬で受け入れられる世の中なんだ…。
俺がそんな事を悶々と考えていると、肩にポンと手が置かれた。
「……災難だったなぁ」
「カジ……見てたなら助けろよ〜」
「いやいや冗談言うなって、俺が一軍男子に反論できますかって」
俺にそういいながらご愁傷さま〜なんて他人事で言ってくるのは梶原慧。俺はカジ、と呼んでいていつもつるんでるメンバーの1人だ。
カジとは特に仲が良く、軽口を叩きあえる仲なんだけど。
俺がジト目でカジを見つめれば、カジは苦笑いしてよしよしと俺の頭を撫でた。
「あのなぁ、ガキ扱いすんなよ」
俺がカジのお得意の頭撫でに文句を言えど、全く聞き入れる気のないカジは何故か嬉しそうに笑っている。
「で?付き合うの?」
「なわけ。俺はホモじゃないって知ってるだろ」
「知ってるけど、瀬戸って王子だし?美形だし?絆される事もあるんじゃね?って梶原さんは思っちゃってるわけ」
「ない!!絶対ないから!!何より俺一軍のヤツらとは絶対に関わりたくなかったのに何でこうなるんだよ、まじで厄日??」
まぁお前はそうだよな〜、なんてカジは笑っているが俺からすれば全然笑い事ではない。
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