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弥兵衛は村に戻ると、村人からは何故に野盗を打ち果たせたのか、急に大きくなり刀の扱いを何処で修めたのかと、様々な疑問にさらされた。己の身をもって為して来たことを話しても信じてはもらえないと思い、天狗の仕業とかつての義経公に準えて答えていた。村人が野盗の棲家であった麻木村の山中まで出向き、取り戻して来た盗品に代官から戻された金銭を元の持主に戻すと、多くの金品が残った。やはり皆殺しの上に残らず持ち出された己の家の金品であったのかと、心が痛んだ。数日を掛け屋敷、田畑、金品の整理をし、叔父に引き継ぐことにした。叔父には京の寺で一家の菩提を弔うと話し、必要な金銭を持ち出している。檀家寺を訪い一家の墓に詣でた後には、住職に永代供養を頼むと共に宗旨送り手形を書いて貰い、宗門人別帳からは外して貰った。
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