平等主義

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「隊長、本日はこちらの星を訪れましょう。」 無数に煌めく星々の中、一筋の光が宇宙を駆っていた。 彼らは宇宙平等を使命として旅をしている。 そして前方には青く光る星が。 「ビルに原子力、電子機器と高い文明を所有している様だ。こういう星では必ずと言って良い程格差が生まれ人々を苦しめるものだ。先ずはどの程度の格差があるのか調べるとしよう。」そういうと偵察カメラを送り込んだ。数時間後偵察カメラは帰還した。 「これは酷い、奴隷に首輪をしている者、四つん這いになった奴隷に乗って移動する者、例を挙げればキリが無いがここまでの高文明を持っているにも関わらずモラルは皆無の様だ。宇宙平等の名の元に彼らを救わねばならぬ。」 ロケットは科学物質を散布しながらその星をぐるりと一周した。数時間後、 「見て下さい、彼らは2つの足で立ち自らの立場の是正を求め始めた様です。上流階級の者も仰天しています。下克上は成功する事必至ですね。」と部下が嬉しそうに報告した。 「そうかそうか、こんな嬉しい事は無い。さあ、次の星へ進もう、私達が成すべき事はまだまだ山積みだ。」 ロケットが去った青い星、地球では大騒ぎだった。 動物達が急に二足歩行になり自分達の立場改正を求めてきたのだから無理もない。
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