茜色の窓辺

大人、とは

　人間は、いつになったら「大人」になるのでしょう？

　私自身はどんなに年齢を重ねても、自分が大人になれたとは思えませんし、年齢的には非常に大人であるにも関わらず頭の中身は小学生以下なのではないかと怪しく思っています。子どもっぽいと言われればそれまでですが、それが事実なんだから致し方ない。

　以前、成人になるのは二十歳でした。今は十八歳になりましたよね。大学一年生で選挙に行かねばならないのだったら、私ならとても困惑したでしょう。とは言っても、二十歳で初めて選挙に行った際、一票の責任の重さは、ほぼ理解してはいませんでしたが。今でこそ「選挙こそ我々の権利！！」と勇んで、鼻息荒く投票に行くようになりましたが、若い頃はどの政党がどのような考え方かなどということは、ろくろく学ぶこともしていなかったなと反省しています。

　また、「結婚すれば大人になるに違いない」と勘違いしていた時代もありました。私は三十歳くらいで一度結婚しましたが、もちろん大人になることはありませんでした。大人になる人もいるでしょう。千差万別ですから。私はならなかったというだけです。その結果が、離婚です。彼も子どもだったので、DVの末に離婚しました。この体験により、「結婚しても大人にはならぬ（なる人もいるかも）」と結論づけるしかありませんでした。

　離婚すれば大人になる、というところは、若干ではありますが、「ヤー」か「ナイン」かと問われたら、「ヤー」に少しだけ傾くかもしれません。結婚するより、離婚の方が経験値が上がる……かもしれない。ある人に、「あなたの離婚経験が羨ましい。私も経験したい」と無茶なことを言われたことがあります。経験値が羨ましかったのでしょうか……その人は夫婦円満にしているようです。私の方が羨ましいです。

　私も五十代半ばになりましたが、頭の中はガキです。一般的な男性も頭の中は中学生だと聞いたことがありますが、女性も似たようなものです。私の場合、もっと精神年齢は下です。恥ずかしくて、穴があったら入りたい。

　身近なところで母を見ていても、大人というより、いつまでも少女のようです。という風に見えます。きっと、人間って、そんなもの。

　誰もが年を取ります。私も年を取ります。せめて、年相応の「大人」になりたい。この誕生日には、そんなことを感じています。

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