Ryouko~第2章~

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理人は優しいだけじゃなくて 広い心の持ち主。 それに、私の事を誰よりも 思って大きく包んでくれる。 私が間違った決断をしても 違うと頭ごなしに言わずに 私のやりたいようにさせてくれる。 青とのことだって いつまでも話せない私を 理人はずっと待っててくれていた。 自分が悲しくて寂しくても 私の決断を待ってくれる。 理人はそういう人。 私は何もできないけど・・・・。 父に理人の事を話していると 心がキュンとして 頬はすぐに紅くなる。 私は彼が大好きでたまらない。 それは口に出せなかったのに 父にはお見通しなようだ。 父「涼子は本当にその彼が大好きなんだな。涼子の話し方でわかるよ。」 うっ・・・・。恥ずかしいな。 真っ赤になっているであろう顔で 「うん」と小さくいうと 父がにっこりと笑ってくれた。 父「じゃあ、そろそろ涼子の話を聞こうか。」 涼子「え、えっとね・・・・。」 父はうんうんと私の次の言葉を待っている。 ああ!!もう!! この際勢いだ!!! 涼子「あのね!実は、彼は教師なの!!」 父「・・・・・・そうか。もう仕事してる人なんだな。」 呑気な父は気づいていない。 私の通う学園の教師だとは 思ってないみたい。 ちゃんと言わなきゃ。 涼子「理人はうちの学校の体育教師なの。」 そう言うと父は驚いて目を丸くして そのまま置いていたお酒を グイッと飲み干した。 父「ちょっと待て・・・・・じゃあ、君たちは先生と生徒なのに付き合ってるってこと?」 コクン 父「馬鹿を言うんじゃない!!!!」 急な怒鳴り声に 身体がビクッとなり強張った。 初めて聞く父の怒鳴り声に 母が慌ててリビングへやって来た。 母「どうしたの?そんな大声出して・・・・」 驚いた母を見てハッとした父は 一息つくと落ち着いた声で言った。 父「すまない。なんでもないよ・・・・・涼子、今日はもう休みなさい。また明日話そう。」 コクン いつも優しい父に怒られるのは これが初めてで 泣きそうなのを堪えることに精一杯。 頷くだけで声を出すことができなかった。
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