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今夜もシーハー・ハーズは一人で小型宇宙船を駆って、小惑星帯にあるレズビアンバー・レディガールに向かった。
シーハーは精神科の女医だが、男のガサツさにはまいっていた。
『なぜデートの誘いが引きも切らないの?うんざりだわ』
『飲みすぎたら帰りは宇宙タクシーにしよう。女性パイロット限定ね』
レディガールは巨大なバー。店員も客も女である。
客層はレズビアンカップルが多い。一人で来る客もいる。
みんな男には興味がない。ただ女性同士で楽しみたいのだ。
ヒト族だけではなく、ネコ族、イヌ族、タコ型火星人もいる。皆女だ。男がストレスの元になっている女性たちなのだ。
その中で異色の存在が、雌雄同体のケンタウリ星系人だ。彼らは完全に中性で、生殖時のみ雌雄に別れる。そのため、彼らには男女に起因するストレスが無い。その見事な中性っぷりが、女性たちの人気を集めている。それに美形が多いことでも有名だ。
シーハーはヒト族の女性と仲良くなり、飲んでいた。ブルーデイは不利よね、とか妊娠は男もすれば良いわ、とか男の悪口が話題だ。
が、飲んでいるうちにどうでもよくなり、勝手なガールズトークに熱中した。
帰りの宇宙タクシーの運転手は、すごい美人だった。シーハーは彼女に、何故女優やモデルをしないのか聞いた。
「私はケンタウリ星系人よ。中性なの。私程度ならいくらでもいるわ。
あなた素敵ね。LINER交換しない?」
シーハーは即座にOKした。
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