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「それに、あの施設もそうだけど、地下に降りてからの景色はしっかりと見たな?」
『……あぁ』
不釣り合いすぎる。いくら技術が発展して、最先端のものを導入できるようになったとしても、それでも、ここはやり過ぎだ。
あんなものがこの世界にあるわけが無い。それに、仮想戦闘も…この技術があるなら、アービターなんて要らないだろう。
この施設は全て、妖魔に対抗する物で溢れかえっている。
まるで……
『「 まるで妖魔を倒すため、御膳立てされてるみたい 」』
……気持ち悪い。真似するなよ。
睨む相手は自分の身体の中にいる。
妖蛭と声がハモる。でもそうなんだ。
違和感なんだ。
別に妖魔を倒そうとする組織なんだから、普通なのかもしれない。妖魔に慣れるための仮想戦闘なんて素晴らしすぎるくらいだ。
ただ何と言うか…
『おかしな事ではない。お前たち人間が妖魔に対抗する為にアービターは出来たんだ。そのアービターが対妖魔の訓練をしているのなんて、普通だろ』
「そんなことは分かってる。もっとこう……それさえも操られている気がする」
『……それさえも?』
分からない。漠然とした違和感があるんだ。
「技術は……こことは別の場所から伝わったものの可能性がある」
『そうだな。この国で、あれだけの技術を要する施設を作れる訳がないな』
初めて見る機械たち。
みんな違和感を感じないのか?こんなものあるわけが無いとは思わないのか?
正直この高度な技術はよく分からないが、一つわかることがある。
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