陶酔サイバーシティー

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“口悪くてほんとごめん” 「な、に……」 ただ体が震えている。スマホの画面は間違いなくミチコからの連絡を映し出している。その画面に何かがぼたりと落ちた。 “本当は、助けてやりたかった。でもお前、頑張り屋だから、最後まで見守ってやりたかった” “お前は頑張ってるよ” “わざわざここまで、笑いに来たんじゃない” “お前の事見てるやつが、ここにいるって言いたくてたまらなくなっただけ” 「な、んで……」 喉がからからに乾いていた。言葉を上手く発せないくせに、指先も震えてとても文字を打てるコンディションじゃなかった。俯いた視線も、そのまま戻せない。 ずっと、知らない誰かなんだと思っていた。まさか、ミチコが——。 「騙してて悪かったな」 その言葉が鼓膜に擦れた時、あんなに上がらないと思っていた視線が簡単に持ち上がった。私なんかとは比べ物にならないくらいに高いところにある目がこちらを見ている。 いつも眠っているから、そんなに背が高いなんて知らなかった。 「ほん、と?」 「これで嘘だったらホラーだろ」 小さく笑った声に、どうしようもなく何かが溢れてくる。視界がぼやけて息ができなくなる。その刹那に、東がまた困ったような表情を見せた。それに苦しくなっているうちに、視界が真っ暗になる。
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