妄想アイデンティティー

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パリピにかかわるとマジで碌なことがない。 授業終了の刻限まで黙り込んでスマホをいじる。ノートの上に置いているそれを永遠にスワイプしながら准くんが更新しないか期待している。 准くんを見ているだけで、時間はあっけなく過ぎて行く。 充電はすでに28%になっていた。まだ大学に来てから2時間半しか経っていない。その間ずっとインスタグラムを開き続けていたから当たり前なのかもしれない。いつ准くんがインスタを更新しても良いように、モバイルバッテリーは欠かせない。 常に2つ以上常備していないと不安になった。今日は3つのモバイルバッテリーを持ってきているし、この講義が終わればすぐに自宅へ帰ることができる。早く帰宅して准くんの更新を待機しないといけない私は忙しいのだ。 いつどこで准くんとの恋愛が始まるのか、わからない。もしくはもう始まっているのかもしれない。シンデレラストーリーは突然だ。もちろん、お伽噺の中にしか存在しないけれど。 ぼんやりとしながらスマホの画面を人差し指で撫でるように触れる。上から下への運動を繰り返していれば、ふいに誰かの投稿が表示される。 思わずいいねしかけたのは、いつもの癖だ。すぐにそれが准くんの投稿ではないことを理解して、息を吐く。
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