埋没パーソナリティー

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結局投げ飛ばした携帯を手に取って、またSNSを開く。 拓哉はそんなに頻繁に投稿しないし、きっともう、今日は見ていても最低の気分になるだけだ。現実逃避のように、ついさっき久々に開いたインスタグラムのアプリを指の腹で叩いた。興味のないタイムラインを眺めて、不意に指先が止まる。 ついさっき当たり前にディスった自撮りを軽率にやっている自分がいた。いくつも上げられているそれは、全部同じものに見える。あの頃までは全部違うものだと思っていた。 今にしてみれば、毎日自分の顔の同じ部分だけを焼回しのように上げ続けている精神異常者のアカウントでしかなかった。 こんな投稿にいいねをつけようなんて思わない。むしろ吐き気がする気色の悪さだった。 どうして私は気づかなかったのだろう。 ただ気持ちが悪い。満たされない承認欲求をなんとかしたくて必死だ。気持ちが悪い。気色が悪い。たいして可愛くもない投稿が永遠に続いているのを見るだけで死にたくなった。 また馬鹿みたいな黒歴史を生成している。私はいつになったら普通の歴史を作れるのだろう。店の表に並べられるような経歴が何もない。全てが隠したいもので溢れかえっていた。 最新の自分の投稿を開いて、削除ボタンを探す。その間に、一件のコメントが付いていることに気が付いた。
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