埋没パーソナリティー

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「もう更新しないの?」 思わず声に出した。それはミチコからのコメントだった。 私の更新は丁度3か月前で止まっている。その投稿に、数時間前にコメントしたらしい。今の今までミチコからコメントがあったことなんて一度もなかった。 僅かな動揺で心臓が可笑しくなっている。少し心配したようなコメントは、やはりリコを彷彿させた。 リコに会いたい。 リコなら、私のこの難儀な性格を真面目に理解しようとしてくれるような気がした。自分は理解してあげようなんて一度も思わなかったくせに。 思い直してミチコのページに飛んでみれば、私が更新しなくなってからも当たり前に更新を続けていたらしく、見た記憶のない画像がいくつも並べられている。それの中の一つを選択して、特にコメントのないいつも通りの画像を見た。 朝焼けの写真だった。 もしかするとミチコは本当に写真が好きなのかもしれない。とりあえず「見たよ」という意味を込めていいねをしようとして、また手が止まった。 「1033件……?」 何の変哲もないいつも通りのミチコのページに1033件のいいねがつけられている。その変化に言葉を失った。 私の知っているミチコは確かにただの底辺インスタグラマーだったはずだ。こんなに多くの人に注目されるような女の子じゃなかった。それなのに、これは何だろう。
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