埋没パーソナリティー

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現実は疲れる。しんどい。驚くくらい私に興味がないことをまざまざと見せつけられる。馬鹿みたいだ。 虚勢を張って一生懸命可愛いと言われたくて頑張っちゃってる自分が痛々しい。なかったことにしたい。その癖に、ミチコがイイネしてくれたそれを消す気にはなれなかった。 インスタの投稿画面を開く。寝転がったまま、意味もなく天井の白を撮った。 意味不明すぎる。 三か月ぶりの投稿が真っ白なただの壁だ。ひとつ前の更新が「新しい本買ったよ 今から文学少女目指す(笑)」で終わっている似非スイーツとは思えない投稿だ。文学少女じゃなくてメンヘラに転身したと思われるかもしれない。 もうどうでもいい。誰かこの心臓に絡まっている雑音を聞いてほしい。それだけしか思い浮かばない。 指先で、文字を選んでいく。誰にも見せたくない言葉を不特定多数の前に晒し上げた。 “マジビビるくらい誰も私に興味ない” ただ一言だけ打ってネットの海にばらまく。 自分で自分に笑える。ここまで何とか取り繕っていたすべてが無駄になった。別に良い。誰も気にしてない。気にしていないから腹を立てているのに、同時に酷く安心する。自分の精神が複雑にウザったい。もう、寝たい。 そう思うのに、この投稿に、ミチコから“そんなことない。見てるよ”とコメントが付くまで眠ることすらできない自分はやっぱり承認欲求オバケだった。
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