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ミチコとは毎日コメントでやり取りするようになっていた。そのうちコメントでは飽き足らず、インスタのメッセージ機能を使った。
いつもありがとうございます。ミチコさんの言葉で生きてますとか馬鹿みたいな告白を打った。
久しぶりに自分から誰かに連絡した。来ないかもしれないと思っていた連絡が返ってきたのは一日後で、ミチコは感謝されるようなことは何もしてないよ。思った通りに言っただけと返してきた。その言葉に私がどれだけ救われて、どれだけミチコに惹かれたかわからないだろう。
誰ともわからないような承認欲求女に手を差し伸べようとするこの人の気持ちが全くわからない。わからないけど好きで好きで気が狂いそうだった。
ミチコと出逢う妄想を何度も繰り返した。
街中でインスタを開くミチコをたまたま見かけるんだ。そのまま私が声をかけて、想いを伝える。ミチコさんが好きですと叫ぶ私にミチコが優しく笑ってくれる。私も好きだよって言って私を抱きしめてくれる。
良く頑張ってるね。もうそんなに頑張らなくていいんだよ。そのままのあなたでいいんだよって、そう言われたくて、もう何度も夢に飛び出てきた。
決まってミチコの顔はリコの笑顔だった。そのことに罪悪感を覚える。私が心底好きでたまらない人は女の子だ。きっと私なんかを好きになってくれない。
どうしたらいいんだろう。何度も問い直す設問に、永遠を感じる。途方もない行為だ。
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