陶酔サイバーシティー

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鼻で笑うような言葉だった。クソだという言葉に、表情が止まる。何かがあふれ出しそうになって、唇が震えた。 「助けてほしいならそう言えばいいだろ。無理なら無理って言えよ。何も言わねえでへらへらしてるから馬鹿にされて、良いだけ使われて、傷ついてんだろ」 「いつまで誰かが助けてくれると思ってんだよ。何も言わずに気付いてもらおうと思ってんのがうぜぇんだよ。いい加減気付けよ。何の意思表示もしないでわかるやつがいるわけねえだろ」 「馬鹿みてえにへらへらして、クソイラつく」 蛇口から流れ出る水みたいにぼろぼろとこぼれてくる言葉が頭から抜けて行く。 残るのはどうしようもない怒りと遣る瀬無さだけだった。嫌悪感をあらわにした目の前の男に、もう、全てが耐えられなくなる。 「そりゃ東くんみたいにキラキラした人間だったらそうしてたよ! こんなクソ陰気でブスじゃなきゃ私も自分の思う正義を他人に押し付けてたよ!! でも違うじゃん! 私は東くんじゃないじゃん! 東くんみたいに自由になんてなれないし、所詮誰にも好かれない、気付かれないような人間なの! 分かったようなこと言わないで。こっち側の人にしかわからないよ。東くんとは住んでる世界が違う」
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