兎と亀
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恐怖に足が縺(もつ)れ 勢い良く尻もちをついた僕に ソイツは長く伸びた 顔だけを近ずけてくる。 「くっ来るな…… 来るなーー!!!!」 顔を押し返すように 出した手は ソイツの顔をすり抜け 虚しく空を切る (もうダメだ) 僕が死を覚悟した その時だった。
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