緑の道

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砂漠の景色は変化がない。 どこまでも続く砂の波。 空は青い布を広げて白い雲一つない。 マシードはそんなつまらない景色を 紛らわすために娘に話しかけた。 一つには娘がどういう素性なのか 知りたかったせいもある。 あの馬賊たちを魔法で倒して 顔色一つ変えない娘に興味があったし、 少しでも水源に関する情報が 欲しかったからだ。 「あのさぁ、娘さん。 案内してくれるのはいいけれど どの位の距離なのかな。 一応、10日分の糧食を持っては いるし。この駱駝・・・ かわいそうだけれどいざとなったら 食べるという手もあるけれど」 「先程の馬賊達を倒したところから 一日の距離よ」 娘はぶっきらぼうに応えた。 「え!そんなに近いの?」 娘は黙って足を運ぶ。 相変わらず杖をつきながら。 マシードも黙って歩くことにした。 あの馬賊達を倒した地点から 娘が案内する場所までの 行き方を覚えるために。 砂漠と言っても本当の奥地の中を 歩いているわけではない。 空の太陽や、夜の星々の位置。 自分の住むオアシスと、近隣のオアシスとの 道からどれ位の距離を離れていくのか マシードは頭の中で量っていた。
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