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そしてしばらくして娘が
「着いたわ」
と一言マシードに行った。
マシードは拍子抜けした。
着いた先は、マシードのオアシスから
二日の距離しかなかったからだ。
それも砂漠に慣れたマシードにとって
いとも容易くつける位置だった。
そこには、ただのレンガで作られたものがあった。
それは、大人二人が両手を広げて
輪っかを作ったような大きさだった。
そしてその中は砂で埋もれていた。
「井戸・・だったのか?」
マシードはつぶやく。
娘は言った。
「この中が水源なの。
私達の先祖の先祖、
そのまた先祖が作った技術。
ここで水は作られている」
娘はそう言うと、
杖をレンガの輪の中に挿した。
すると、レンガの輪の中の砂が黒くなり
水がしみ出しあふれ出た。
そして、四方八方に水は広がりを見せた。
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