緑の道

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緑の道

私は歩いていた。 ただ独りで歩いていた。 その前は父と一緒だったが 父は老いて鬼籍に入った。 そして私は父の跡を継いで この砂漠の国に緑をもたらすべく 独りで砂の上を歩いていた。 父から受け継いだ杖で 砂に穴を開けて。 するとそこには地下水脈から 水があがり植物が芽をふくのだ。 父がそうであったように 私にもその神通力があった。
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