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「何者だ!」
娘を取り囲んでいた男たちの
リーダー格の男が
矢の飛んできた方角へ身体を向けた。
だが、姿が見えない。
しかも太陽を背にしており
矢を放った相手の姿を確認するのも難しい。
「ええい、近くのオアシスの警備隊かもしれん。
野郎ども面倒くせぇ。
その娘を連れてずらかれ!」
男たちの一人が娘のからだに手を馬上から伸ばした時
娘の周囲から、つむじ風が起きた。
それは水滴と砂が混ざっており、
だんだん大きくなって
騎馬隊の男たちを巻き込んで
空高く飛んだかと思うと
突如止んだ。
どさどさどさ
馬と男たちが地面に叩きつけられる。
彼らは絶命していた。
娘は少し顔をしかめると
何事もなかったかのように
杖をつきながら歩を進めた。
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