はるか

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はるか

 近くに見えて、近くにいない。  でも、遠く離れたわけでもない。  港の船は煌めく、私はそれを見送りながら、その先に映る街の明かりに目を凝らす。  見とれている。誰かを想っている。  手を伸ばすと明かりは掴めそうだ。  でも遠い、やっぱり遠い。  この星空の下で、君のことを想っている。  この夜の中でただ、ただ考えている。  明かりの煌めきを見ながら、私は歩きだした。  胸に手をあてて、やっぱり君のことを想いながら。
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