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話の内容はざっとこんな感じだ。
時は阪神淡路大震災があった……つまり1995年、尼崎市出身だった彼は自宅を失い、当時姫路市に住んでいた親戚宅に身を寄せていた時期があったらしい。
「その頃、私鉄駅近くのスーパーマーケットに何度か行ったことがあるんです。祖母と母と、当時まだ赤ん坊だった弟と四人で」
そのスーパーマーケットであれば知っている。何を隠そう私の郷里は兵庫県姫路市、あの辺りは通っていた高校が近かったので、いわば馴染みのある場所であった。
「そこで商品出しをしていた店員さんが気になって、僕思わずお声掛けしてしまったんです」
1995年といえば四半世紀ほど前、私は当時19歳だった。彼は見たところ20代、何歳の頃なのか知らないが、恐らく幼少期の話だと思われる。
「そのお姉さん、物凄くお綺麗な方だったんですが、目茶苦茶疲れてる感じだったんです。それで『疲れてるの?』って訊ねたら『大丈夫』って無理して笑顔を作られてて……」
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