記憶の引き出し

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 それから数日後、私は暇潰しにネットサーフィンをしていると、友人がハマっているオンラインゲームの舞台化が決定したというニュースを見つけた。 「あの子確かこのゲーム好きやったよな……」  独り言を呟きながらそのニュースを読み進めていくと、何人かの俳優がゲームキャラクターに似せたコスチュームの画像が添付されている。その中に見憶えのある若手俳優に視線が止まり、よく見てみると先日声を掛けてきた青年であった。 「マジかよ?」  何このテレビドラマみたいな話……ちょっとした動揺を抱えながら彼の勇姿を眺めていた。  これを機に私は彼に関する情報を自分なりに調べるようになり、イ○○○○○ムをやっていることを知る。どんな画像載せてるのかなと思いながら軽く覗いてみると、昨年の誕生日頃に幼少期の写真をアップしていた。 『疲れてるの?』  その子を見た瞬間、私の頭の中で男の子の声がこだました。 ─完─
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