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♯1 【占いの館 MARIA】
「【占いの館 MARIA】へようこそ!」
魔女のようなコスチュームを纏った美少女は妖しく微笑んだ。
間近で見ても幾つくらいなのか、年齢不詳だ。
一見、肌の張りや艶からすると女子高生にも見えるし、妖艶で落ち着いた様子からすると二十歳前後にも思える。
とにかく端正で綺麗な顔立ちだ。
まるで、精巧に出来た西洋のお人形さんのように可愛らしい。
眩ゆいばかりの金色の流麗な長い髪をしている。
あまりにも整っているので、生身の人間ではないみたいだ。
まるで漫画か、アニメから飛び出してきたような美少女だ。
「当館の占い師、安倍マリアです。アナタの未来を占いましょう」
心地よい素敵な声だ。
「安倍マリアさんですか……」
ずいぶん変わった名前だ。
クリクリとした大きな瞳が妖しく光りを帯びた。
テーブルにはタロットカードが並べられていた。おそらく このカードで占うのだろう。
お香なのだろうか。占いの館内には気持ちが落ち着つくような良い匂いが漂っている。
「ただし……」安倍マリアの瞳がキラッと煌めいた。
「えェ、ゴクッ、ただし……?」
僕は緊張からか、生唾を飲み込んだ。
「ご希望する未来が叶うとは限りません。
いかが致します……」
「は、ハイ……、わかりました。
宜しくお願いします」
僕は畏まって頭を下げた。
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