1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと!ここはどこ、私は誰なの」
「まあまあ、落ち着きなさい。夢でも見てたんでしょう」
落ち着けるわけないでしょう!それに夢なんかじゃない、こっちの方が夢だ!とこの人に怒りをぶつけても仕方がないので私は仕方なく口を閉じる。でも私は誰かに不平を言いたくて仕方がなかった。『ここはどこ私は誰』有名な台詞だから一回言ってみたかったけれど、言ったとしてもなにも変わらないことに気がついた。
「さて、それではもうそろそろ戯言をやめて仕事に戻りましょうか」
し…仕事…??
唖然とする私を見て、逆に驚いた顔をする彼。
「私に仕事なんて、あるの…?」
「ええ。まさかなんの仕事かもお忘れでは…?」
そもそも知らないし!
「ミシェル殿、あなたは“騎士”です。全く、いつもはきびきびとしているのに今日はどうしたというものか」
「は⁉︎」
ミシェルって誰。数秒経ってからようやく気づいたが、どうやら私のことらしい。
「とりあえず任務に戻りましょう。殿下が心配します」
「で、殿下って…?」
「ミシェル殿、まさか殿下のことも…?エドワード殿下のことですよ。あなたは殿下のナイトです」
「わ、私が…?」
最初のコメントを投稿しよう!