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私みたいなか弱い女子が、誰か知らない殿下のナイトだって…⁉︎
「話していて呆れますね。ミシェル殿、夢は醒めたのですよ」
ちょ、ちょっと待って‼︎
私はミシェルなんかじゃないんだから!
私の本当の名前は石黒瑠夏。瑠夏と書いて“るな”と読む。ちょっとだけ運動も勉強も苦手な高校生。部活には入っていないし、友達もそこまで多くない方。でも学校生活に支障があるわけでもなんでもなく、友達とも上手くやれてるしそこまで心配するほどでもないと思う。漫画とかだとモブに紛れてそうなタイプだから、私に焦点が当たるなんてほぼない。はず、だったのに…。
「あの、私の部屋はどこですか。すこし体調が悪くなってしまったもので」
とりあえずバックれるしかないと考えた私は、彼にそう申し出た。
「ああ、そういう嘘は通用しませんよ。と普段なら言いたいところですが、殿は今日は頭が混乱しているみたいなので。後ほど私から殿下に言っておきますね、ついていきますよ」
「あ、ありがとうございます」
私は彼の後ろにぴったりとくっついていった。
「あの、お名前は…」
「私ですか?レンと申しますが…」
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