病院にて、母と。

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 24歳になった私が総合病院での清掃の仕事を辞めたのは1週間前のことだ。  会社から貸与されていた制服を返すために、私は今、母が運転する車の助手席に乗っている。私は原付きの免許しかないため、車の運転はできないのだ。  助手席で私は、クリーニングに出した綺麗な制服の入った紙袋を持って、母に話しかけた。 「ごめん、車だしてもらって。雨降ってるから原付きで行くのが嫌で」 「別にいいよそれぐらい。制服返したら、ちゃんと『お世話になりました』って挨拶してくるんだよ」 「わかってる」  そうして会話は途切れ、車内ではFMラジオから流れる音楽だけが鳴り響いた。今若者を中心に流行している曲で、私はまともに聴いたことがなかったが、こうしてちゃんとで聴いてみるとなかなか良い曲だな、と思った。
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