学校という箱庭で君と青春を叫ぶ

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「そういえば、竜一がさ。なんか真穂に用事だって」  マキが不安そうに言った。マキは、クラスのリーダー格の女の子。あたしの学校での一番の友達。 「あー、竜一って確かマキの思い人! 何の用事だろうね?」  確かサッカー部のエースだっけ? 同じ高校2年生として、みんなの注目株。日に焼けた肌と、小動物みたいな顔立ちに軽いノリが人気の男の子。まあ。あたしは興味ないけれど……。今は友達との時間が一番楽しいし。何より学校って、常に戦争中のようなものだ。気を抜いて恋愛できるほど、あたしはコミュ力が高くない。  今だって、ちまちまとしたことを積み上げてようやくこの地位にいる。いつ落ちるか、常にビクビクおびえながら……。
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