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 角龍の家だというマンションに着いても俺の熱は冷めることがなかった。  一度出したというのに、むしろ熱は高まっていくばかりで、特に薬を入れられたケツの穴は、ムズムズと焼けるような感覚が絶えず押し寄せてきて、車が停車したときの揺れだけで悲鳴を上げそうになった。  新築だと思われる広々とした綺麗なマンションだった。なんと最上階の2階を全て借りているらしく、運転していた部下には今日は上の階を使うからなどと話していた。  エレベーターの中でもフラつきながら、角龍に抱えられるようにして部屋まで着いた。  そのままベッドルームに連れていかれ、ベッドに投げられるように飛ばされた。 「いっ…痛い……」  その間に角龍は上のスーツを脱いで、シャツの前を開けた。  筋肉のついた逞しい体が見えて、自分の貧相な体と比べると恥ずかしくて見せるのを遠慮したかった。 「そうだ、君名前は?」 「……雅貴」  角龍は口元に笑みを浮かべながら俺の上に覆い被さるようにベッドに乗ってきた。 「さっきのやつでまぁ雅貴が、男食いのビッチだとは思えないけど、一応後ろの具合も確認しないといけないからね。普段は俺が指導なんてやらないけど、今日は興が乗ったから特別に俺が相手をしてあげるよ」  それが光栄なことなのか、特別感を出されても俺にはさっぱり分からない。  ただ、体の中からうごめく怪物のような熱をどうにかして欲しかった。 「アンタ……、角龍さんは……男が好きなのか?」 「ああ、俺?俺は両刀だよ。セックスなんて所詮、排泄行為みたいなものだろう。別に相手がどちらでも出すもの出せればなんでもいい」  驚くほど色気のないことを言う男だと思った。俺だって複数の女の子相手に恋愛ごっこみたいなのをしながら、別にいなくなっても困らないような関係しか続けてこなかった。だから人のことは言えないが、そんな俺でも淡白すぎるような気がした。  理解できない目で見ていたが、当の本人はお構い無く、俺の後ろの穴に指を突っ込んできた。 「くっ………、ああ!そっ……それ………」 「すごっ…、トロトロになってるな。さすが催淫効果のある違法なやつだ……、この状態は辛かっただろう」  ナカの具合を確かめるように、角龍は指をどんどん奥へ入れていく。 「入り口はトロけてるけど、中はやっぱり狭いね。これでビッチだったらよほどの名器だな。自分で弄ったこともないの?」 「あた…あたりまえだ……。そんな……ところ、触るわけ…がな……い」 「へぇ……じゃあまずは、玩具で遊んでもらおうかな。店のお土産のサンプルなんだけど、役に立って良かったよ」  角龍がガサゴソと袋から取り出したのは、ピンク色のローターだった。  玩具好きの女の子と盛り上がって一度使ったことはあるが、その子とも会えなくなったので、ずっと見ることもなかった。  それを想像通り、角龍は上手に飲めるねと言いながら、俺の尻の穴にうめこんでいく。怖くて見れなかったが何個か入れられた感触があった。  全部入った後はまだ電源を入れていないのに、中で丸いモノがゴリゴリと動く感じがして、俺はひぃひぃと息を飲んだ。 「おや、これからが本番だよ」  カチっと音がして、ブオオオンと轟音を上げていきなり強烈なバイブが俺を襲った。 「がっ…!!うあががががいいいいいいい……しぬ………しんじゃ………うおおおおおお」 「ああ、ごめん。力の入れ加減が難しいんだ。いきなり最強にしてしまったよ」 「ふっ…ふざ……け……だああぁぁぁぁぉおおおおお!!」  一度小に戻してくれたと思いきや、また手が滑ったと言って最強にされてしまった。  悶え苦しむ俺を見ながら、角龍は楽しそうにカチカチとコントローラーを弄っている。  心の中で絶対殺してやると怒りながら、その繰り返される責めに俺は叫びながら身をよじらせた。  その強烈な刺激に体は一気に煽られて、分かっただけでも二回は達してしまった。  イキすぎて気がおかしくなりそうになってきた俺は、もうプライドもズタズタで消え去りたい思いになって、ぽろぽろと涙が出てしまった。  いい歳をした男が泣くのなんて、もう記憶にないくらい前だ。気分的には赤ん坊の頃くらいの前のつもりだった。  両親が出ていったときも、じーちゃんが死んだときも、親戚の家で耐え難い思いをしたときも俺は泣かなかった。  子供の頃、男が泣くな見苦しいと両親に怒られたからだ。  それが、音を立てて崩れていく。自分を守っていた最後のものが砕け散った。 「最悪だ……、泣くなんて……嫌だ……絶対泣きたくなかったのに……」  それを見ていた角龍は興が覚めたのか、コントローラーを持つ手がピタリと止んだ。  もう終わったのかと思った瞬間、角龍が俺の唇に噛みつくよう食らいついてきた。 「んんっーー!!んんんん……っん……ふっんん……」  これがキスなのかとしばらくは分からないくらい、口の中を舌で犯されているくらいの勢いだった。  舐め尽くされて吸われて噛まれて、何度も角度を変えて深く深く喉の奥まで舌で蹂躙されていくようだった。 「はぁはぁ……は……ぁ……っっぬあああああ!!」  ようやくキスから解放されたと思ったのもつかの間、角龍は無言で尻に入っていたローターを一気に引き抜いてきた。  ずっとうるさいくらいにペチャクチャ喋っていたのに、急に無言で責めだした角龍はある意味恐ろしく感じて、俺はシーツの上を無意識に後退りして距離を取ろうとした。  しかし逃がさないというように、再び覆い被さってきた角龍は、俺の両足をぐっと上に寄せて、下の穴に自分のモノを当てがった。  出して一瞬、ちらりとしか見えなかったがそれは、鋭い目をした角龍の外見によく似合った、高くそびえ立つ剣のようなデカさと力強さだった。 「う……うそ……やっやっぱり……」  土壇場で怖じ気づいた俺の言葉なんて聞いてくれるわけがない。  角龍は先っぽをよく馴染ませて、ぺニスの滑りをよくしたところで、一気に剣を突き入れてきた。 「うううわぁぁぁ!!くっ…苦し……って…いたっ……痛い……も……ムリ……」  薬のおかげで緩んではいたが、まだ誰も入ったことがないそこは十分に狭くて、異物の侵入を拒んでいた。  しかし、鋼のような硬さと強さでメリメリと押し広げられて、ついに全部を入れられてしまった。 「……入ったよ、雅貴」  ずっと無言だった角龍は、俺を見下ろして満足げに微笑んだ。  その妖しい魅力をともなった微笑みに俺は完全に心を捕らえられて身動きができなくなってしまった。  恐ろしい人だと思って俺は震えた。それは怯えではなく、快感だった。  すぐに抽挿を開始した角龍は容赦なかった。俺のナカのいいところを探り当てて、そこばかりめがけてぐいぐいと当ててきた。  当然快感が押し寄せてきて達したくなるが、角龍は俺のモノをがっちりと掴んで達することを許さなかった。  そのくせ自分は勝手に何度も俺の中に出してきて、俺の腹の中はアイツの精液で満たされているんじゃないかというくらいパンパンだった。 「あぁ……もう……だめ……、早く早くイキた……、も…しんじゃ……うってば……イかせて……」 「……瑛士エイジだ」 「……え…んんっ」  ゆっくりとグラインドしたと思ったら、引き抜いて一気に挿入する。緩急をつけて腰を動かして俺をさんざん翻弄した男は最後にやっと自分の名前を言った。 「イキたいならお願いしろよ。瑛士様って言って。可愛くできたら許してやる」  さんざん焦らされて、もう快楽の虜になっている俺にためらう余裕などあるはずがなかった。 「え…瑛士さ…ま…、お願い。お願いします……」 「何を?」 「…………イかせて……お願い……」  瑛士はニヤニヤと笑うばかりで、ちっとも戒めを解いてくれなかった。可愛くなんてどうしたらいいのかさっぱり分からない。女のようにしろと言われても無理な話だった。だんだんなぜ自分だけイケないのかイラついてきた俺は、もう頭にきてふざけた男を泣きながら睨み付けた。 「ばかーーー!瑛士!自分だけイクなよ!俺もいっ…一緒にイキたい!!」  驚いたように目を見開いた瑛士は、ふっと笑って掴んでいた戒めを解いた。  その瞬間、我慢していたものが急速に高まって、俺はナカをぎゅうぎゅうと締め付けて派手に白濁を撒き散らして達した。  こんなに死ぬほどの快感を感じて達したのは生まれて初めてだった。  俺の締め付けがきいたのか、瑛士もまた俺の中で達した。どくどくと熱い放流を感じて、俺はわずかに声を出した。  しかしそこが限界だった。泥のような眠気が押し寄せてきて、俺は気を失うように眠りについたのだった。
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