第一章 息

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 今朝の要人は、やけに機嫌がいいな。  優希は、そんな風に考えていた。  昨日は、ひっくり返るくらい驚いた。  いや、正確に言うなら一昨日からだ。 『あの、な。優希。俺と付き合って……、くれないか?』  あんなことを言いだすなんて。 『そうじゃなくて。その、友達としてじゃなくて……、あの、もっと……』  こんな事を言いだすなんて。  そして、僕はその手をとった。  振り払わずに、そっと握った。  僕も、要人が好きだったから。  恋人だとか、付き合うだとか、そういう事はよく解からない。  要人は要人。  昨日と同じ要人。  何かこれから、変わったことになっていくのかな。  変わった接し方をしていくのかな。  それは、日々に任せることにした。  時間の経過が、何らかの答えを出すだろう。  ただ、今朝の要人はやけに機嫌がよかった。  
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