第二章 手

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「やぁ、優希。思ったより早かったな」  要人がベッドに横になっている!  これには少し驚いた。  ただ、やけにニヨニヨして自分の隣をぽんぽんと叩いてみせる要人に、優希は軽く笑った。  子どもの頃は、寮の消灯時刻を過ぎても二人でこっそりベッドの中でゲームをして遊んだりしたっけ。  そんな風に考えながら、無防備に要人の隣に滑り込んだ。  すると。 「優希……」  要人が速攻押し倒してきた! 「えっ、えええ!? ちょっと待て!」   優希は要人と自分の体との間に両腕を畳んで挟ませ、のしかかってくる体をどけようとしたが、容赦なく抑え込まれる。  もがき、暴れる優希に、要人は少しだけ力を緩めた。 「ん? あれ? 初めてじゃないよね?」  優希はもう、必死になって要人に訴えた。 「なくたって、この場合何の役にも立たないと思うんだけど!」
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