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いつもと違い、要人はやけにぎこちなかった。
話しているかと思えば、気づいたら上の空。
視線を合わせたり、逸らしたり。
挙句の果てに、妙な事を言いだした。
「あの、な。優希。俺と付き合って……、くれないか?」
何を今さら、と優希は怪訝な顔をした。
もうすでに、付き合っているじゃないか。
今、ここでこうして一緒にお茶を飲んでるじゃないか。
そう言う優希に、要人は飲み物の残りを一気に干すと、真正面から見据えて訴えた。
「そうじゃなくて。その、友達としてじゃなくて……、あの、もっと……」
まさか。
まさか、要人。
その先は、ダメだ。
それは、言っちゃダメだろう。
優希の揺れた目の色に、要人は自分の言っている言葉の意味を、彼が理解したことを知った。
そうなんだ、優希。
友達以上の、恋人として付き合ってほしいんだ。
「返事は今すぐにじゃなくていい。明日。明日、この時刻にここに来てくれ。返事は、その時に」
一気にそう言うと、要人はその場からゆっくり去った。
本当は、逃げるように駆け出したい気分だったが、それではいかにも悪い事をしているみたいだ。
自分の気持ちに、一点の曇りもないことを現すために、要人は一生懸命ゆっくり歩いて行った。
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