さよなら嘘つきマイヒーロー
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「ねぇ、覚えてる?」 熱のない手を取り、息を吸って──吐く。 肺に流れ込むのは無機質な消毒液の香り。 「あなた、私よりも1秒長く生きて守り続けるって、そう言ったのよ?」 水の中みたいな電話越しの声。 流れない涙と下げられる頭。 代わりに残った小さな灯火。 ヒーローみたいに格好つけといて私を置いていくなんて、寂しいじゃない。
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