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「両親も居ないような女を鷹崎家が認めるとは思えん!」
なり振りか構わなくなった九条兼続は自分の言動がどのような事態を引き起こすとも知らずに続けた。
「確かあんたは鷹崎の母親だろう、どうだ美月と息子が結婚して九条を継いだ方がいいとは思わんか?」
「思わないわね。息子の恋愛には私も息子の父親も口は出さないわ。もちろん結婚もよ。」
完全に鷹崎本人にもその母親にも拒否された美月は叫んだ。
「生意気なのよ!こんな女のどこがいいわけ。鷹崎さん貴方は私と結婚すべきよ、九条を継げばいいわ。そうしたら・・。」
くッと鷹崎は笑いを押し殺した声で言った。
「ああ九条があればですかね・・ああ僕は美鈴さえいればいいので金も権力も彼女を守る為なら自分で手に入れますが本来興味もないですね。それに「そんな女」とは聞き捨てならないですね。」
九条があれば・・既に鷹崎からの攻撃で痛手をち受けているのにまだ何かあるのかと九条兼続は思っていた矢先に報告があると顔色を真っ青にした秘書が走ってきた。
「なんだ、騒々しいぞ。」
「あの・・先ほどから海外の市場で暴落があり、かなりの被害が出ていて原因は分からないですが華京の大物と東条が動いています。」
クスッと笑いながら
「うちは東条 明 とうじょう あかり わからん?うちの大事な親友を侮辱して過去の傷まで晒して許さんで。さっきまで黙って
聞いとったけどな、九条さん素直に謝罪してたら失わんでよかったもんをあんた間違えたな~。」
九条兼続は東条家の会長とは良好な関係だったはずだと確認の為に連絡を取れと秘書にった。
「ほなうちのスピーカーにしてあげるから、話したらいいわ。」
明は東条の会長と通話状態にしたスマホをテーブルの上に置いた。
「東条会長!どういうことですか?」
「ああ、うちの孫と孫の婿が九条と敵対関係になるというなら東条は孫達につくよ。九条よ怒らせた相手が悪かったな。」
東条は、それだけを言って通話を切った。
「そういうことよ。」
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