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「お待たせしました。」
会いたいと思っていた人がそこに立っていた、その人は美鈴が泣いているのに気が付いてどうしたんだと心配顔で近づいてきた。
「鷹崎さんに会いたいと思っただけです。」
そう言うと美鈴の顔を彼は両手で優しく包むように触れると長い指で涙を拭った。
「何があったのですか?海叶が泣かしたのですか?」
鷹崎は海叶に何故彼女が泣いているのかを聞いたが海叶が答える前に美鈴は「鷹崎さんに泣かされたんです。」と言うと彼は僕ですか
僕が何かしましたかと狼狽えるから・・
「だって再会してすぐに言ってくれたらよかったのに・・。」
そう言うと彼は少し困った顔をして
「言えないですよ。でも結果は同じで僕にしたら今貴女が側にいてくれるそれだけでいいのですよ。」
嫌な思い出まで思い出すかも知れない事を言うより、初めから始める事にしたんだと彼は言った。
「ほんま別人やな。」
そんな事を言いながら明はクスクス笑いながら見てるし、後から来た相川は毎日見ているからかいつもの事だと言い海叶は相川に「こんな感じなの?」と言いながら苦笑いをしている。
海叶は芸能人のエージェントをしていて今回はキャサリンと一緒に日本で仕事をする為に準備しているという話だった。
「親父も一人は寂しいだろうし、キャサリンも日本の文化が好きだからね。」
キャサリンは日本のアニメが好きらしく、「秋葉は聖地です!」と真面目な顔で言うような人だったりする。
今回の仕事の報酬に明は相川に依頼していたゲームもベータ版が出来たらしくてその内容に明は満足していた。
「今回は犬を育てるシュミレーションゲームやから王も見逃すやろ。」
犬を育てて犬が擬人化するゲームらしいが明はあくまでもペット育成ゲームだと言っている。
「美鈴もするのですか?」
「ゲームですか?いつもしてますよ短時間ですけど。」
駄目ですかと美鈴は鷹崎に聞くとダメではないがほどほどにして下さいねと何か含んだ様な言い方をした。
「鷹崎さんはな、王とたぶん同類やからゲームやのに嫉妬するタイプやと思うわ。」
そんなことを明がいうから美鈴は「そうなんですか?」というと
少し赤い顔をして「王ほどではないですよ、少し気になる程度です。」
「気になるね~そうか・・ふ~ん。」
何か知ってそうな相川は意味ありげだったが、鷹崎ににらまれてすぐに黙った。
数時間そこで楽しく過ごして時間が遅いこともあり美鈴は鷹崎に連れ出されて先に帰ることにした。
また近く会おうという約束を明とキャサリンとしてまずゲームですぐ会う予定なのは鷹崎には秘密にして。
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