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エピローグ
「相川、ペット育成ゲームですがもう少し短時間で育つようには出来ないのですか?」
鷹崎は真剣な顔で相川に詰め寄るように言った。
最近美鈴が「可愛い~」とか言いながらペット育成が楽しいらしく毎朝欠伸をかみ殺しているところをよく見る鷹崎は彼女が心配で
ならなかった。
「なんで?あれ今は特に問題ないとは思うが・・・。それにユーザーからの人気も高いから、早く育ち過ぎるとゲームにならない
だろう?」
新キャラのデザインの会議に行くという相川はそんなに心配しなくてもいいんじゃないのかと言うだけだった。
「それにな、そんなことでゲームに干渉したら怒り狂って美鈴ちゃん連れて家出されるぞ。」
脳裏に浮かんだのは明と最近一人増えたキャサリンだった。
美鈴ちゃんが育ててるキャラ知ってるかと相川が聞いてきたから、いや見せてくれないというと。
「これ見ろよ。」
そう言って見せてくれたのは、「はーちゃん」という名前で登録している黒いドーベルマンの子犬で眼鏡がアイテムで使われていた。
「これは?」
「お前そっくりだろ。名前もそれらしいし。」
ニヤリと笑ってこれでも駄目なのかと言われると何も言えなくる。
自分ソックリのキャラクターを育ててる美鈴の言う「可愛い」は自分に向けられていると思えば怒る気もうせた。
「そういうことだから。」
相川は今は勝利したと小さくガッツポーズをしながら会議室へ。
残された鷹崎は顔を赤くして「やっぱり美鈴は可愛い。」何をしても彼女が可愛く愛しいと思う鷹崎専務の溺愛はとまらず
「美鈴、夜は食事に行きましょうね?」とメッセージを送りすぐに「はい。楽しみにしています隼人さん。」と返信がきてその日の機嫌は最高に良かったようで今朝までの鬼のような専務でなく仏のような専務と陰で揶揄された。
定時で仕事を終え二人は仲良く手を繋いで「美鈴何が食べたいですか?」
「隼人さんが誘ったのですから隼人さんが決めてくださいね。」
そんな甘々な会話をしながらデートに出かけて行く。
近くでみていた千秋と相川は「毎日ですもんね~あの会話」ほぼ毎日繰り返される二人の会話。
「まあいいんじゃないの?楽しそうだし。」
相川のスマホが着信を知らせ画面を確認するなり相川は「ゲッ」といいながら仕方なくアイコンをタップした。
「相川社長、王です、例のゲームなのだが・・。」
ああここにもいたかと思いながら同じような説明をすることになった相川でした。
Fin
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